西条市


令和4年度 西条高等学校 地域・歴史研究部:テーマ「西條藩陣屋跡」

自分たちが通う西条高校が建つのは、かつて西條藩主の一柳家の陣屋として築かれた「西條藩陣屋跡」。かつての面影を探して、見慣れた景色を新たな視点で見つめ直しました。

西条高等学校が西條藩陣屋跡をテーマに制作したポスター。撮影場所は「大手門(現 : 西条高等学校 正門)」。西條藩陣屋跡に建ち、堂々とした風格を感じさせる大手門。陣屋の歴史は長く、寛永13年(1636)にこの地に移封された一柳氏によって築かれた。現在の大手門は、紀州徳川家分家・松平氏によるもので、この地のシンボルとして多くの市民に親しまれている。現在は西条高等学校の正門として、登校する生徒を迎え入れている。大手門をくぐることは、西条高生の誇りである。秋の「西条まつり」には、門前にだんじりが集結する。
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西條藩陣屋跡

 

西条市   大手門(現 : 西条高等学校 正門)

 


西條藩陣屋跡に建ち、堂々とした風格を感じさせる大手門。陣屋の歴史は長く、寛永13年(1636)にこの地に移封された一柳氏によって築かれた。現在の大手門は、紀州徳川家分家・松平氏によるもので、この地のシンボルとして多くの市民に親しまれている。現在は西条高等学校の正門として、登校する生徒を迎え入れている。大手門をくぐることは、西条高生の誇りである。ふだんの大手門は、陣屋跡のお堀を静かに見つめているが、秋の「西条まつり」には、門前にだんじりが集結し、多くの人々で賑わう。


西条高等学校が西條藩陣屋跡をテーマに制作したポスター。撮影場所は「三本松から眺めるお堀と北御門」。木々の緑に囲まれて、西條藩陣屋跡のお堀は、名水で知られる「うちぬき」を豊かに湛えている。目の前に広がるこの景色は、四季折々に私たちに安らぎを与えてくれる。手前に小さく見える門は、かつて陣屋の北口を護っていたことから、北御門の名がついた。明治期以降は移築されて傷みが進んでいたが、歴史を残したいという市民の熱意によって修復され、平成25年(2013)に現在の場所に設置された。この一角は、市民の散歩コースでもある。
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西條藩陣屋跡

 

西条市   三本松から眺めるお堀と北御門

 


木々の緑に囲まれて、西條藩陣屋跡のお堀は、名水で知られる「うちぬき」を豊かに湛えている。目の前に広がるこの景色は、四季折々に私たちに安らぎを与えてくれる。手前に小さく見える門は、かつて陣屋の北口を護っていたことから、北御門の名がついた。明治期以降は移築されて傷みが進んでいたが、歴史を残したいという市民の熱意によって修復され、平成25年(2013)に現在の場所に設置された。西条郷土博物館の白壁と歴史の遺構が融合したこの一角は、市民の身近な散歩コースでもある。


フィールドワーク&グループワーク

2023年1月22日(日)に行ったフィールドワークでは、自分たちの学びの場である校舎が建つ「西條藩陣屋跡」について、日常ではなかなか気付かない西條藩の面影を探して歩きました。「西条郷土博物館」を訪れて、当時の陣屋の姿を再現した模型と普段見慣れた風景を重ね合わせたり、お堀に沿って歩きながら、在りし日の人々の暮らしを想像したりしました。



令和4年度 小松高等学校:テーマ「小松藩の残照」

小藩ながら約230年の歴史を繋いだ小松藩と、藩主に招かれ藩校「養正館」を整備し小松の教育の礎を築いた「伊予聖人」近藤篤山を通して、今なお小松で受け継がれる教育の精神を学びました。

小松高等学校が小松藩をテーマに制作したポスター。撮影場所は「愛媛県指定史跡 近藤篤山旧邸」。門をくぐると庭に咲く真紅の椿の花が目に飛び込んできた。小松藩7代藩主、一柳頼親に招かれ、藩校「養正館」を整備し、最高学府である昌平黌への入校者を多数輩出するなど、小松の教育の礎を築いた知の巨人、近藤篤山。ここはその住居兼私塾であり、公開されているものとしては県内唯一の儒学者の武家屋敷である。伊予聖人とも呼ばれた篤山先生に少しでもあやかろうと、昔の学習法を真似てみると、当時と変わらない厳かな空気を感じ取ることができた
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小松藩

 

西条市   愛媛県指定史跡 近藤篤山旧邸

 


門をくぐると庭に咲く真紅の椿の花が目に飛び込んできた。小松藩7代藩主、一柳頼親(ひとつやなぎ よりちか)に招かれ、藩校「養正館(ようせいかん)」を整備し、最高学府である昌平黌(しょうへいこう)への入校者を多数輩出するなど、小松の教育の礎を築いた知の巨人、近藤篤山。ここはその住居兼私塾であり、公開されているものとしては県内唯一の儒学者の武家屋敷である。伊予聖人とも呼ばれた篤山先生に少しでもあやかろうと、昔の学習法を真似てみると、当時と変わらない厳かな空気を感じ取ることができた。連綿と育まれてきた教育や文化は、今も小松の地に確かに息づいている。


小松高等学校が小松藩をテーマに制作したポスター。撮影場所は「小松藩主菩提寺 円覚山佛心寺」。筋状の雲がうっすらとたなびきながらも、晴れ渡った1 月の境内。明治の建築になる重厚な本堂が迎えてくれた。佛心寺は小松藩2代藩主、一柳直治が建立した小松藩主の菩提寺であり、後方にそびえる山々には歴代の藩主が静かに眠っている。ここは約230年の歴史をつないだ小松藩の象徴的な場所であり、陣屋から移築された姫門など貴重な遺構も残る。
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小松藩

 

西条市   小松藩主菩提寺 円覚山佛心寺

 


筋状の雲がうっすらとたなびきながらも、晴れ渡った1月の境内。明治の建築になる重厚な本堂が迎えてくれた。佛心寺は小松藩2代藩主、一柳直治(ひとつやなぎ なおはる)が建立した小松藩主の菩提寺であり、後方にそびえる山々には歴代の藩主が静かに眠っている。ここは約230年の歴史をつないだ小松藩の象徴的な場所であり、陣屋から移築された姫門など貴重な遺構も残る。朝の清浄な空気に包まれた広い境内を巡ると、かつての小松藩の格式、謙虚さ、大らかさ、そんなものが押し寄せてきて、なんだか温かく誇らしい気持ちになった。


フィールドワーク&グループワーク

2023年1月22日(日)のフィールドワークでは、地域の偉人、江戸時代後期に教育分野で活躍した近藤篤山(こんどうとくざん)や小松藩をテーマに、「近藤篤山旧邸」や「養正館跡」、「仏心寺」などを訪れて、小松の歴史を学びました。自分たちの高校の教育にも連綿と受け継がれている篤山の精神や、篤山を教育者として招いた小松藩の面影を、小松の街のあちこちで見つけ、思いをはせていました。


参考文献

  • 増川 宏一著『小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む』
  • 小松町教育委員会編『小松の文化と教育 近藤篤山』

  • 小松町教育委員会編『小松藩三代藩主 一柳直卿公 その人と書』